ちち 

言語学科卒lakmeの、久々の言語のコーナーです。

知人でイギリス人と結婚した日本人女性がいますが、現在、在香港。
3つになった息子さんが、自分の父親、つまり、息子さんにとっての祖父を、

「おじいさん」

と呼ぶのに大うけ!と(笑)
どうも、日本語を覚えさせようと、DVDの日本昔話を見せているので、

「むか~し、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。。。」

で覚えてしまったらしいです。納得。
でも、お母様は、強気で「おばあさん」と呼ばせていないとか。母、強し!父、頑張れ!

で、思い出したんですよね。。。「父」で。
私の友人、イギリスで日本語を教えていたことがあるのですが、その時、個人レッスンをした男性から、

「あなたのちちがみたい」

と言われ、ドッキリ!
話をしていくと、彼が言いたかったのは、

"I would like to see your father."
訳:私はあなたのお父さんに会いたいです。


でした。つまり、英和辞書に最初にのっていた単語をそのまま使ってしまったんです。

see = 見る
father = 父

「lakmeちゃん、生徒におっぱい見たいってセクハラされてるのかと思ってビックリしたわ」

と、友人。わっはっは、ですが、この男性、先生に訂正してもらえてラッキーでしたよね。他の場面で同じことを言っていたら、間違いなく変態さんだったでしょう。

外国語習得時は、辞書を使うわけですが、学習時にやった方が良いのは、その単語の例文をできるだけ沢山見る事です。どういう場面で使える単語なのか、日本語とは使える幅が違うのです。それから、その単語の派生語も見て、できるだけその単語の持つ感覚をつかんだ方がいいですね。

なので、初級レベルの学習者の場合、私は電子辞書をお勧めしません。電子辞書は、上級者や、速読が必要で、ちらっとわからない単語を調べる時に使うものであって、じっくり学習する際に使うものではないな、と思っています。前後の単語は見られないし、沢山ある例文も、スクロールしないと出てきませんから、辞書のように一斉に目に飛び込んでくるわけではないのです。
lakme、単語の感覚をつかむのはうまい方かなと思っています。なんとなく、この単語ならどんな状況に使えるか。こういう時は、日本語で考えているというよりは、イメージしている感覚です。

イメージと言えば、私が日本語を教える時に、よくやる動きを1つ。

はく (下から上へもっていく動き)
きる (まとう、あるいは、上から下への動き)
かぶる (頭上で上から下へ持っていく動き)
かける (フックにかける動き)
つける (のっける動きとまきつける動き)

これらは、英語の場合、すべて put on でOKです。
なので、わかりやすく動いて説明をしてあげます。何を身につけるかと同時に、どういう動作を強いられるかというイメージをしてもらいたいなと思っています。

そもそも、日本語は、似ている外国語がないと言われている孤立した言語なので、単語をそのまま日本語で記憶する(専門用語や、物の名前は別ですが)よりかは、イメージでとらえた方がいいかなと思っています。

ちなみに、「あなたのちちがみたい」の、何が日本語として決定的に間違っているか言えますか?(いくつかポイントはあります)

~おまけ~
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うちの薔薇。7月後半に返り咲きです。まだまだ蕾をつけているので、楽しめそう。
そして、これぞ、私の中の「美しい」という単語のイメージ。

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うちのお嬢さん。週末の遊びモード。
この顔は、私の中の「ご機嫌」のイメージ。

外国人に簡単な日本人の名前の話 

最近たまたま見つけた記事について。
2014年1月9日の記事です。(←クリックでとびます)
*勝手に引用して意見してはいけないということでしたら、ご指摘いただきたいです
この記事では、発音しやすい日本人の名前(キラキラネーム含む)について書いてありますが、名前の表記については書いていなかったので、表記と合わせてコメントします。

日本人の名前の場合、例外*を除いてヘボン式ローマ字書きしかできない為、サイトにあった「外国人が発音しやすいキラキラネーム」は以下のように表記されます。(左がヘボン式ローマ字表記:右が英語表記)
*例外というのは、両親のどちらかが外国人というような例です

心愛(ここあ)KOKOA: Cocoa
希空(のあ) NOA: Noah
澄海(すかい) SUKAI: Sky
馬周(ましゅう) MASHUU: Mathew

続けて、「日本の名前で横文字っぽい名前」ということで紹介されているものは以下の通り。

理沙 RISA: Lisa
杏 ANNA、ANN: Anna, Anne, Ann
譲 JOU、JOH: Joe
賢 KEN: Ken ← 英語圏では、Kennethのニックネーム
豪 GOU か GOH: Go ← 名前ではなく、英語で動詞のGOでしょう
*lakmeが思いついたもの
はな HANA:Hannah
ゆう YUU: You ← 名前ではなく、英語の「あなた、君」

問題は、日本人には似たような音ですが、RとLは全く異なる音ですし、「ましゅう」のTHEWと、SHUUも全然違う音です。「すかい」も、SkyとSUKAIでは、書かれてしまうと欧米人は同じと認識するのは不可能です。

以下、「単に発音しやすい名前」として出ていたものについても、発音は問題ないですが、微妙な注意点として、下の方の説明を参照してください

美姫 MIKI
摩耶 MAYA
仁 JIN

次は、lakmeが思うに表記に比較的忠実に欧米人が発音してくれる日本の名前です。(漢字は参考まで)

えま(江麻) Ema : 英語表記 はEmma (英語圏の女の子の名前)
まり(真理) Mari: 欧米表記 Mary, Mari, Marie(Maria等バリエーションはあるものの、とても多い女の子の名前)
えみ(恵美) Emi: 英語表記はAmyでエイミーですけれど
さら (紗羅)Sara: 英語表記はSarah 英語圏の名前で、セアラに近い発音
みあ(美亜) Mia: 欧米でたまに見かける名前です。
男の子は、いろいろ考えましたがKEN以外は難しい・・・。

~注意点~
1)サラSaraは、欧州では「ザラ」と発音しがちですが、「サラ」と読むと知っている人が多いので大丈夫だと思います。(Sの音は、次が母音だと濁りがち)
2)「単に発音しやすい名前」にあった、ジョウJO、ジンJIN、ハナHANAがなぜダメかというと、英語圏では問題ないのですが、特に北ヨーロッパではJの音は「ヤ、ユ、ヨ」の音になってしまうのと、フランスでは、Hの音が発音できないことを考えると、表記してしまうと発音が違ったり、発音が難しいからです。
3)マヤMayaのように、Yが入った名前は南ヨーロッパの人には馴染みがありませんね。ヤユヨの発音をしようとすると、北ヨーロッパの人達は、YではなくJを使うので、名前をしばらく間違って書かれることは必須。ちなみに、GとJの音も曖昧。
4)ミキMikiや、エリEriは可愛い名前ですが、(かなり大ざっぱですが)ヨーロッパ大陸的に以下の法則が当てはまりますので微妙かもしれません。
O, I や子音で終わる名前は男の子が多い
A, E で終わる名前は女の子が多い
北ヨーロッパの名前だとこの通りではないことも多いですが、フランスの例をとると、PascalさんとPascaleさんは両方ともパスカルと発音しますが、1つ目は男性、2つ目は、Eで終わるので女性です。それから、日本の女の子の名前のアキAki、ユリYuri等は、男の子の名前です。

ただし、最近は非ヨーロッパ系の外国人や移住者も多く、いろいろな名前が見られますので、e-mailをもらっても男性か女性かわからないことが多いです。日本のように男女共に~様ではなく、Mr. かMrs.で書き出すので、一か八かでやってみたりします(苦笑)。

長くなってしまいましたが、表記も発音も欧米的に合致して、男女わかりやすい名前ということでしたら、以下の法則を使って名前を作ると良いかもしれません。

子音に、M, N, K, T を使うと綺麗に発音される傾向あり
シ SHI 以外のサ行は避けた方が良い
ラリルレロは欧米でRと表記する場合のみ使う
母音A, I, U, E, O は連続させない(表記すると日本語のように発音できない人多数)
男の子の名前は、O, I, N で終わらせると無難
女の子の名前は、A, E で終わらせると無難
Uで終わらせない(テツ TETSUの場合、「てつゥ」と、最後にウを強調されて日本語っぽくない)
日本語で二文字程度が無難

ということで、お薦めの日本的な名前は、男の子は、KEN、女の子は、KANA あたりでしょうか。

最初に戻りますが、記事の内容はなんとなくわかるのですが、表記法を考えるとちょっと気の毒といったところでしょうか。。。発音しやすいでしょうが、表記上の音とは大きく異なることも多いということを知っておいたほうが良いですね。ですので、子供に海外(欧米*)で名前に苦労して欲しくないと思ったら、上記のチャートをちらっと見てみてください(笑)トトロTOTOROとか…、欧米でも人気で認知度も高いですよ(笑)

それから、もう一点重要なことですが、他の国でのその名前の意味もちょっと調べたほうがよさそうです。上記 Kanaちゃんは、フィンランド語でニワトリで、可愛い感じなのですが、パリで知り合った友人のChie(ちえ)ちゃんは、フランス語でchié(シエと発音)が ウ○チした みたいな意味になるので気の毒でした。。。
*lakmeは、アジア、中近東、アフリカ系の言葉に関する知識はゼロですので、上記、欧米(西ヨーロッパ言語)という括りであることをご理解下さいませ。

~ おまけ ~
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「lakme、にわか音声学者してないで・・、テニスボールで遊んでよ。。。」

たかくら けん 

今週の大雪。
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ベルギーの灰色の空に、雪吹雪。積雪15センチちょっと。
オフィスの前は公園で、氷をはった池と雪をかぶった黒い木々が、深い森の一角のようで、何とも物悲しい景色だった。
同僚とお昼を食べながら、ふと窓を見ると、この暗い冬景色が・・・。
何気に口をついて出てきた言葉は

高倉健・・・、歩いてそうだよね


日本人の同僚にしかわからない、この一言。
みんなでそうだ、そうだと大騒ぎ・・・。

ちょっと話は飛ぶけれど、日本語教師の資格を持っている私は、たまに外国人に日本語を教える。
外国語をマスターするには、言葉だけでなく、ある程度の文化も学ばないと、会話が成立しないことがあります。例えば「あの人、金太郎みたい」と言って、日本で育った日本語話者なら、まずイメージする人物像はほぼ一緒のはず。だけれど、日本語を大人になって学んで流暢に話せるようになった人でも、同じイメージができる人はわずかだと思う。

で、健さんに戻りますが、上記の健さんが歩いていそうな寒くて暗い冬景色、きっとこのブログを読んでいる日本人にも同じような景色が見えているはず・・・。果たして、どのぐらいの日本語学習者が、その領域に到達するか・・・。「高倉健的空間」まで想像できるかどうかで、上記のお昼の会話に入れるかどうかが決まってくる。最終的には、教科書以外の勉強をどれぐらいしたかで、その語学のレベルも左右されるのです。

とりあえず・・・、健さんは、ヨーロッパにもいるんです。

~おまけ~
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「北の国から」的空間
キタキツネに餌付け中の田中邦衛一家と言ったところ。。。
ちなみに、近所を歩いていたキツネをプレイエルと間違えたことがあります。
プレイエルが1人で外出するわけないじゃん、と自分でつっこみを入れていた。。。

セ ラ ヴィ 

前回の「警察官が沢山食べます」には、いろいろコメントありがとうございました。友人とも、この話は結構もりあがったりしているので、やはり何かいい感じの話なのでしょう(笑)

さて、フランス語の続きですが、パリ駐在となった日本人一家のお子さんが、現地の学校に通い始めると、驚くべき現象が起こるそうで・・・。

"C'est pas ma faute!" (発音:セパマフォット)

と言い始めるのだそうです。周囲で良く使われているから覚えてきてしまうということなのですが、日本語で直訳すると、

「私のせいじゃない!」

これは・・・、日本人の親としてびっくりでしょう。それに、使う場面が日本人的に「?」ということがしばしばあるからです。

1)乗っていた電車が揺れて、子供が隣の乗客の足を踏んでしまった。お母さんが、足を踏んだんだから隣の人に謝るように言うと、

女の子"C'est pas ma faute!"と言って、電車が揺れたからだと

2)宅急便のお兄さんが朝来た時に、電話で頼んでいた封筒をピックアップするのを忘れたのだけれど、特に急いでいなかったので、夕方にもう一度別の人に来てもらったところ、

この人"C'est pas ma faute!"と言って、朝忘れた封筒をピックアップ

3)デパートの店員さんが、お客さんの選んだ商品をいくつか持っていたのだけれど、1つ落としてしまい、すかさず、

店員さん"C'est pas ma faute!" と言って、商品を拾ってお客さんに

どれも、私の身近で起こった事です。
1)はともかく、2)と3)は、誰が悪いかなんて関係のない場面で、すかさず出てくるところが、フランス語が母国語でないとわからない感覚と言いますか・・・。私の感触では、「わたしのせいじゃない」という直訳とは違って、「まっ、いいでしょ」ぐらいの軽い感じで使っているような気もしますが、直訳の意味が意味なだけに、

そんなこと言われたら、頭にくる!!!

実は、1)の例は、日本人の友人と、その子供(日仏ハーフ)のやり取りで、もちろん友人は、「電車のせいにするな!その人に謝りなさい!!!」と、ものすごい勢いで叱ったらしいけれど、子供はひょうひょうとしていたらしい。。。きっと、周りの子供たちがそうなのでしょう。

フランス語圏の人がよく言うセリフでもう1つ。

"C'est la vie." (発音:セラヴィ)
直訳:それが人生というもの

日本語に訳すと、奥深いものがありますが、「セパマフォット」同様、
大した意味はありません。。。

この親子の話に戻りますが、この子がのんびりした子で、落し物をよくする。友人はその度に怒るのだけれど、2週間で3つも帽子をなくしてしまった。しかも、2つ目の時はウソをついて、3つ目の時はそのことを隠していた。友人が「さっきはあるって言ったのに、どうしてないの?」と怒ると、

"La vie est comme ça." (発音:ラヴィエコムサ)
直訳:人生とはそんなもの

日本語訳の通りにとってはいけないとわかっていても、自分の小1の子供に言われたら、ムカッ!めちゃくちゃ怒ってお仕置き。子供は大泣きしたとのこと・・・。

言葉が流暢に話せるのと、その言葉を母国語話者のような感覚で操れるのとは別問題。この6歳児はどういう感覚で使っているんでしょうね。


会社の内部監査が始まります。検査人が意地悪をして「なぜ、~ができていないのか?」と質問してきたら、さらりと言ってみたい・・・。

"C'est la vie."


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プレイエルお嬢さんの人生とは・・・。

警察官が 

マルチ言語のベルギーはブラッセルに住んでいます。
ベルギーの公用語は、オランダ語(約60%の話者)、フランス語(約40%)、ドイツ語(はじっこにちょっと)です。首都ブラッセルは、オランダ語圏の中に島のように存在していて、オランダ語とフランス語で、公的なものはすべて表記するのが原則です。
そして、忘れてはならないのが、国際機関であるEUとNATOの本部の存在。ブラッセルの住民の約6割が外国人と言われるのも、このような国際機関の存在と、そのおかげて無数の各国政府の機関や、大手企業の本部があって、駐在員としてやってきている人が多数いるからというのもあります。なので、、、共通語としての英語の能力も求められるのも当然。でも、それゆえに、英語で通して、フランス語、あるいはオランダ語を全く話せないで何年もブラッセルに住んでいるという人も結構いたります。

さて、私はと言うと、最近、フランス語を全く話していません(汗)。ブラッセルに引越してくるまでは、パリで2年半すごしたので、フランス語は結構話せたのに。しかも、会社では半分は日本語。まずいなあ~~~。
そんな中、同僚で、英語だけで通してきた日本人が、最近フランス語を習い始めたので、フランス語の話とか、何気におしゃべりしてみたのだけれど、結構面白かったので、書いてみます。

「フランス人と(英語で)商談していて、"あんぽんたん"って何度も言われて・・・。よく考えてみると、インポータント(important = 英語で「重要」の意味)って言いたいんだろうけど・・・気になって仕方がなかった」

確かにそうだ・・・。フランス語の発音では、インポータントは、アンポルタ~ンになる。連発すれば、あんぽんたんと聞えるでしょう。。。ビジネスの会話で聞えてきたら、そりゃあ、気が抜けるでしょうね。

一方、私が気になるのは、レストランで水を注文するとき。

"FLAT WATERにしますか?" FLAT WATER =平たい水(炭酸水ではない普通の水)

フランス語の単語は、英語と同じものが多いので、そのままフランス語の表現 l'eau plate を英語で使ってしまういい例。それも、結構みんな当然のように使っているので、何だかそれが正しいような錯覚に・・・。ちなみに、英語で炭酸の入っていない水は、STILL WATER です。他にもこの手の間違いは多いですけれど、フランス語がわからないと、理解するのはキツイだろうなとしばしば思います(苦笑)。

いろいろとフランス語レッスンの話とかで盛り上がったのですが、私のパリ時代のフランス語講座で大うけした話を思い出しました。

教科書に、begnet という言葉が出てきたのですが、ある生徒がわからなかったので、先生は、誰かフランス語で説明してあげなさいと指示。

「デザートで、揚げてある」
「パンみたいなやつ」
「砂糖がかかってる」
「丸い」

それでもその人がわからなかったので、アメリカ人の生徒が一言。

Le policier mange beaucoup. (← 今でも忘れないこの一言)
訳:警察官が沢山食べます

答えはドーナツなのですが、むちゃくちゃ笑いました。私の映画やテレビで観るアメリカのイメージそのままだったので。(太った警官が、ドーナツとコーヒーでくつろいでる姿、見ません?)
後からNY在住の友人に聞いたところ、警察官が食べるドーナツ消費量は、アメリカ全土で毎日何千個だか何万個だか(すでに数字は忘れました)だという統計があると言っていました。

誰かこの数字を調べて教えて下さい。

ちなみに、ヨーロッパのドーナツ begnet は、丸くて中にジャムが入っているものが主流で、浮き輪のようにリング状のものは、あまり見かけません。

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ハンガリーでドイツ人ブリーダーさんに育てられて、ブラッセルのドイツ人と日本人のカップルに引き取られた英国原産のボーダーコリー、プレイエルは、豆腐の入ったお味噌汁のかかった白米が大好き。
マルチカルチャー犬なのです。