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 2014-07- 

ちち 

言語学科卒lakmeの、久々の言語のコーナーです。

知人でイギリス人と結婚した日本人女性がいますが、現在、在香港。
3つになった息子さんが、自分の父親、つまり、息子さんにとっての祖父を、

「おじいさん」

と呼ぶのに大うけ!と(笑)
どうも、日本語を覚えさせようと、DVDの日本昔話を見せているので、

「むか~し、むかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました。。。」

で覚えてしまったらしいです。納得。
でも、お母様は、強気で「おばあさん」と呼ばせていないとか。母、強し!父、頑張れ!

で、思い出したんですよね。。。「父」で。
私の友人、イギリスで日本語を教えていたことがあるのですが、その時、個人レッスンをした男性から、

「あなたのちちがみたい」

と言われ、ドッキリ!
話をしていくと、彼が言いたかったのは、

"I would like to see your father."
訳:私はあなたのお父さんに会いたいです。


でした。つまり、英和辞書に最初にのっていた単語をそのまま使ってしまったんです。

see = 見る
father = 父

「lakmeちゃん、生徒におっぱい見たいってセクハラされてるのかと思ってビックリしたわ」

と、友人。わっはっは、ですが、この男性、先生に訂正してもらえてラッキーでしたよね。他の場面で同じことを言っていたら、間違いなく変態さんだったでしょう。

外国語習得時は、辞書を使うわけですが、学習時にやった方が良いのは、その単語の例文をできるだけ沢山見る事です。どういう場面で使える単語なのか、日本語とは使える幅が違うのです。それから、その単語の派生語も見て、できるだけその単語の持つ感覚をつかんだ方がいいですね。

なので、初級レベルの学習者の場合、私は電子辞書をお勧めしません。電子辞書は、上級者や、速読が必要で、ちらっとわからない単語を調べる時に使うものであって、じっくり学習する際に使うものではないな、と思っています。前後の単語は見られないし、沢山ある例文も、スクロールしないと出てきませんから、辞書のように一斉に目に飛び込んでくるわけではないのです。
lakme、単語の感覚をつかむのはうまい方かなと思っています。なんとなく、この単語ならどんな状況に使えるか。こういう時は、日本語で考えているというよりは、イメージしている感覚です。

イメージと言えば、私が日本語を教える時に、よくやる動きを1つ。

はく (下から上へもっていく動き)
きる (まとう、あるいは、上から下への動き)
かぶる (頭上で上から下へ持っていく動き)
かける (フックにかける動き)
つける (のっける動きとまきつける動き)

これらは、英語の場合、すべて put on でOKです。
なので、わかりやすく動いて説明をしてあげます。何を身につけるかと同時に、どういう動作を強いられるかというイメージをしてもらいたいなと思っています。

そもそも、日本語は、似ている外国語がないと言われている孤立した言語なので、単語をそのまま日本語で記憶する(専門用語や、物の名前は別ですが)よりかは、イメージでとらえた方がいいかなと思っています。

ちなみに、「あなたのちちがみたい」の、何が日本語として決定的に間違っているか言えますか?(いくつかポイントはあります)

~おまけ~
2507141.jpg
うちの薔薇。7月後半に返り咲きです。まだまだ蕾をつけているので、楽しめそう。
そして、これぞ、私の中の「美しい」という単語のイメージ。

2507142.jpg
うちのお嬢さん。週末の遊びモード。
この顔は、私の中の「ご機嫌」のイメージ。